加藤秀俊『取材学 探求の技法』中公新書

取材学―探求の技法 (中公新書 (410))

取材学―探求の技法 (中公新書 (410))

まえがき
I 取材とは何か
 材料七分、腕三分
 みんな取材者
 情報環境と主体性
 問題の発見
II 文字の世界の探検(その一)
 図書館を使う
 リファレンス・ブックス
 索引というもの
 論文を探す
III 文字の世界の探検(その二)
 見出し読みの効用
 データ・バンク
 新本・古本
 カタログにない書物
IV 耳学問のすすめ
 もの知りに聞く
 問答について
 ものをきく作法
 対談に学ぶ
V 現地をみる
 取材旅行
 取材の道具
 かくれた名著
 参加と観察
VI 取材の人間学
 批評とその批評
 ひやかしの効用
 打ち切り地点
 発表ということ
リファレンスの本棚

小沢昭一『私のための芸能野史』新潮文庫

ISBN:4101313016

I 万歳 (平松佐一、平松佐吉)
 おめでとうさまと祝いこみまつる。ヤレ御万歳とお家も栄えて、水も若やぐ木の芽も咲いて御繁昌

II 足芸師 (上田長吉)
 ほんとの親はわからんのです。気がついた時はもう、鉄割の一座の小屋の中に居たんだから

III 女相撲 上 
 花が蝶々か マタ蝶々が花か エ! 来てはちらちらオッコサット迷わせる イッチャナァ イッチャナァ

IV 女相撲 下
 祝儀が沢山あったもんで銭に困ったようなことは一ペンもないワ。金紗や大島を着てぜいたくしたワ

V 浪花節 (広沢瓢右ヱ門)
 売れてる時はええですけど、売れなくなって酒飲んでたら相手にするもんなし、医者にもかからず野垂れ死

VI 説教・絵解
 アレ女房があの通り 若い男と湯の町歩いとるワ、アーアーくやしやなと思う途端、無間地獄へダダ走りじゃ

VII トクダシ上
 ニコリと笑って、目を伏せて、「真剣にやれば、濡れるのは当り前です」その真剣の水も今日は末期の水

VIII トクダシ下
 ハイ、腹の立つような客は、その客、興奮さしてあげます。そういう客の息を止めます

IX 東京の大道芸人窟 上
 雲右ヱ門のおやじの繁吉が流れてきていた。ありゃ祭文語りだ。カッポレの梅坊主は市兵衛長屋にいたなァ

X 東京の大道芸人窟 下
  姉はラシャメン、妹は芸者 おやじア万年町でコリャサノサ車ひくサイサイサイ

XI 漫才
 今の浮世は、引っくり返ってまくれ返ってそっくり返ってぶっくら返って、間抜けた浮世に違いがない

XII ふたたび万歳
 恋の品川女郎衆に袖引かれ、乗りかけお馬の鈴ヶ森、アリャエー、コリャエー 姐さん辻占どうですかァ

あとがき

新装版に寄せて

解説 中村とうよう

ASIN:4480420169

宮尾登美子『対談集 小さな花にも蝶』中公文庫

ISBN:4122016002

 目 次
女と男のほどよい関係   吉行淳之介
「語り」文学の根   水上勉
取材の面白さについて  神津善行
『陽暉楼』女と男の華と泥  五社英雄
船の旅について  常盤新平
『天華院篤姫』について  綱淵謙錠
宮尾文学の魅力  小松伸六
『櫂』をめぐる父と子     緒形拳
健康をめぐって 加賀乙彦
地唄三絃の世界 富山清琴
 あとがき  
 初出一覧

桂文楽・林家正蔵・(聞き手)暉峻康隆『落語芸談(上)』三省堂新書

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●笑いの芸能―落語のなりたち
  咄
  落とし咄
  落語
  咄の種類
  おち
桂文楽―長生きするのも芸のうち
  文楽代々
 一 おしゃべり小僧時代
  八代目文楽とは
  はなし家になろうとは
  横浜へ奉公に
  おしゃべり小僧と芸にきびしい母
  芝居と京浜電車とお暇
  ヤクザの家に居候
  ヤクザの親分になっていたかも
  色ぱなしと所払い
 二 はなし家入門―芸と修業
  桂小南に弟子入り
  名人芦洲と「雪月花」
  旅回りと芸のくずれ
  芸人は芸だけじゃだめ―さん馬師匠との別れ
  円高・円右・小円朝の心持ち
  人生の師匠-五代目左楽
  円馬師匠にくいついて
  芸で、芸で、芸で夢中
  大師匠三代目円馬と芸のきびしさ
 三 はなし家の生き方
  はなし家は死ぬまで修業―小さん・正蔵・円生
  つらいことがあったら芸だと思いな―よくなった馬生
  長生きするのも芸のうち
 四 庶民の芸1「咄」を創ること
  人の咄をよく聞くこと
  「厩火事」が大好き一おなじみの髪結いさん
  「寝床」を生地でいく
  「明烏」の苦心
 五 寄席が芸をささえる
  きょうは暉峻先生が見えている
  常連のきびしさ―足裏の顔むける
  ホール落語と小娘の人気
  高座の雰囲気をつくる
  人気にたよらず
  このごろの聴衆―聞くほうも腕をみがいたら
 六 これからの落語界
  芸で客と渡り合え

林家正蔵-庶民の苦楽に生きる
    正蔵代々
 一 はなし家としてのスタート
  無職じゃ交番の前を通れない
  芸道修業
  一朝じいさんとの出会い
  三代目小さんの弟子・円楽
  トンボを切ってればいい
  前座なら定給がある
 二 よき師、よき芸
  横から聞いておぼえる
  「天災」だけは聞けるな一あれは三代目に教わったんだ
  しゃべることに打ち込んだ品川の円蔵
  人情咄と意気な一朝じいさん
  小さん芸術のキーポイント
  いい先輩のいい芸を―円右の「文七元結
  通人と百科辞典の先輩に会って
 三 お客よりぜいたくしちゃあいけねえ―はなし家の生活    
  長屋住まいの弁
  あなたがたのついでに生きている
  お客よりぜいたくしちゃあいけねえ
 四 演出の苦心―身にしみる気持を出す
  くずさず、いまに生かす―「文七元結
  身にしみる「中村仲蔵
  これからもやりたい怪談咄―「執念かい?妄念かい?」と関羽のおばけ
 五 はなし家とお客―これからの落語のために
  客の顔みて咄をきめる
  寄席とホール落語
  高座の責任―地震があってもやめられねえ
  落語の中の人物像―えらくねえやつが好き
  テレビからはいるお客さんへ
  落語は筋だけ聞いてもダメ
  芸をやらないうちに笑わせるとは……
  はなし家も修業すること

付録 「厩火事」  桂文楽
   「中村仲蔵林家正蔵

落語芸談〈下〉 (1969年) (三省堂新書)は未見。

あわせて

落語芸談 (小学館ライブラリー (117))

落語芸談 (小学館ライブラリー (117))

となるか。

立川談志『現代落語論』三一新書

ASIN:4380650073

目次

その一 落語の観方聞き方
 噺のおもしろさ
 落語の落げ
 「地口落ち」
 「考え落ち」
 「見立落ち」
 「幽霊落げ」
 落げの演出法
 噺のスター
 笑い三態とギャグ
 ケチはケチなりに、泥棒は泥棒なりに
 間抜けの楽しさ
 寄席のエリート
 講談と落語
 落語のルール
 郷愁と夢
 素朴・正義感・四季
 艶笑落語
 艶物復活
 女性は艶物がお好き
 艶物の演出法
 廓噺について
 色物について
 音曲について
その二 真打になるということ
 浅草松竹演芸場
 映画『大平原』に感激
 多摩川園劇場
 少年講談
 寄席通い
 はじめて志ん生を聞く
 三遊亭歌笑の死
 落語は非行化を救う
 みっともないから、ヤメテクレ
 真山恵介さんとの出会い
 小さん師匠の家
 小よし誕生
 ふしきな世界
 前座・二つ目・真打
 前座の修業
 ワリの話
 楽屋帳の話
 落語の題名について
 出番のやりくり
 予備出演ということ
 師匠を真似ること
 バケた林家三平
 イジられる話
 楽屋で博打はご法度
 鯛焼に泣く
 怒鳴られる奴ほどものになる 
 初高座
 無言のルール
 噺のケイコ場
 月謝なしに噺を教わる
 十八歳で二つ目になる
 自分の落語をつくりだす
 湯浅喜久治とのこと
 古典落語のセンスと
 トピック 
 妙な現代化はやめよう
 若手落語会
 春風亭橋之助のこと
 若手落語会の崩壊
 若手試演会のこと
 東宝若手勉強会をクビになる
 落語錬成会のこと
 ウエストサイド物語に感動
 アスティアにサインをもらう
 タップダンスに熱をあげる
 噺家モダンジャズ
 噺家芝居
 大阪へ出演
 石井均と松竹文化演芸場
 梅田の花月 
 西条凡児の漫談 
 真打の声がかかる 
 五代目立川談志の誕生 
 オレは真打だ
その三 昔の噺家・今の寄席
 柳亭左楽桂文治三遊亭円歌のこと 
 謳いあげる春風亭柳好 
 落語ライブラリーの計画 
 ツバナレと入れかけ
 三河島まつみ亭 
 千住の栗友亭・神田の立花亭 
 木馬館麻布十番クラブ 
 川崎演芸場のことなど 
 噺家に受けない麻雀 
 はじめての独演会 
 村田英雄さんの浪曲
 「二人のシャンソン歌手と一人の落語家」 
 「女は風船そよ風まかせ」 
 楽しい夜のショー 
 安上り勉強法 
 寄席ブームと「談志ひとり会」
その四 観客・芸・人気ないしは笑について         羌五
 労音という名のお客 
 アートシアターという寄席 
 噺家の演出と創造 
 古今亭志ん生の芸について 
 愛される芸人とは 
 人柄と芸のきびしさ 
 落語の超越した笑い
 落語の笑いとギャグ 
 古典落語は泣いている 
 スパゲッティの伴奏 
 客席のエチケット 
 笑わせない工夫 
 いい笑いを教える 
 落語はどうなるか
その五 わたしの落語論
 新作落語は落語ではない
 上方落語と大阪の寄席
 テレビ落語
 落語家が売れるということーマスコミと落語
  落語一筋は昔のこと
  わたしたちの前にはマスコミがある
  二足の草鞋ははける
  落語は果して大衆的か
  芸の保護と大衆化
  器用でないと生きられない
  貧乏は芸を滅ぼす
  無料でも客は客
  現代の落語家

カバーおよび中扉カット 長尾みのる
目次扉および目次カット 橘右近

江國滋『落語美学』旺文社文庫

ASIN:4010613173
1982年2月20日 初版発行

目次
落語への招待
 1 私の落語鑑賞
 2 誇張のおかしさ
 3 落語的リアリティー
 4 かなしさを伝える
 5 幻想の世界
 6 場面転換と省略
 7 仕種の妙味
 8 題名とサゲ
落語哲学
 序説
 第一章 諺について
 第二葦 色について
 第三章 金について
 第四章 生活の知恵について
 第五章 道徳について
 第六章 言葉について
 第七章 現代性について
 結語
裸の江戸っ子
芸の人びと
 正蔵の定期券
 三人の手紙
 小のぶの計略
 小円朝の「そう」
 円生のフフフ
 影法師弁護
 柏枝誕生
 戸山ケ原の驟雨
落語断片
 円朝管見
  開幕まで
  百生の『住吉駕籠』
  小円朝の『粗忽の使者』
  志ん生の『牡丹灯籠』(刀屋)
  円生の『牡丹灯籠』(萩原新三郎)
  文楽の『夢の酒』
  小さんの『お化長屋』
  正蔵の『大仏餅』
 臨終・川崎演芸場
 記念碑の人びと
 芸人の像
 ……を読む
  「円朝全集」第一巻
  「醒睡笑」
  第二期・落語名作全集
  「落語」(加太こうじ)
落語・連想
 蜘蛛駕籠
 寿限無
 つき馬
 宿屋の富
 文七元結
 堀の内
 三枚起請
 片棒
 真田小僧
 猫の災難
 干物箱
 たいこ腹
新作人情噺
 はな散る里
解説 「楷書の人」 色川武大

ASIN:4480422625 未確認

麻生磯次『笑いの文学 日本人の笑いの精神史』講談社現代新書

昭和44年8月16日第1刷発行
ASIN:B000J98TQO

まえがき
はじめに
 ――笑いのいろいろ
1 日本人の笑いの発達
   日本の国民性と笑い
   平安朝の笑い
   中世の笑い
2 江戸時代の笑い
   支配階級を愚弄する笑い
   放心のおかしみ
   暖かな笑い
3 洒落と滑稽
   言葉の洒落
   思考の洒落
   たくまざる滑稽
   滑稽のいろいろの型
   主観的な滑稽
4 諷刺とユーモアと俳味
   諷刺とユーモアの違い
   俳味のユーモア
5 俳味の発達
   俳諧連歌の笑い
   蕉風俳味の完成
6 笑いの理論
   道義的な考え方
   理智的な考え方
   二つの理論を折衷する考え方
   ベルグソンの笑いの理論
笑いの研究書目

デザイン 岡島伴郎
マーク ノーベル平和賞
カット おおば比呂司