山田俊治『大衆新聞がつくる明治の〈日本〉』NHKブックス

2002年10月30日 第1刷発行

ISBN:4140019522 C1321


はじめに
序章 大衆新聞『読売新聞』の出現
 1 大衆新聞としての『読売新聞』
 2 明治新聞事情
 3 民衆にとっての新聞
 4 大衆メディアの広がり
 5 大新聞と小新聞ということ
第一章 『読売新聞』の位置
 1 解説する新聞という役割
 2 雑報をどう書くか
 3 二人称で語りかける
 4 読者との親密な関係
第二章 明治という国家の支配の網目
 1 布告を伝達する
 2 政治としての口話
 3 明治国家をどう受け入れるか
 4 政治を代行する『読売新聞』
 5 求められる新聞縦覧所
 6 社会の隅々へ
第三章 識字社会の様態
 1 非識字への眼差し
 2 文字による支配
 3 読み書きという能力
 4 子供に負ける大人
 5 知の位相
 6 文字習得の行方
第四章 〈事実〉の時代
 1 〈事実〉を伝える新聞
 2 紙面と交流する読者たち
 3 判断としての〈事実〉
 4 民俗的世界を抑圧する
 5 布告という根拠
 6 虚構を〈事実〉として
第五章 物語としての新聞
 1 物語としての事件記事
 2 『読売新聞』の場合
 3 物語にならない雑報
 4 解釈を求める記事 
 5 「珍話奇説」と読者大衆
第六章 読者の欲望の行方
 1 読者の欲望
 2 新聞条例と読者の欲望
 3 雑報記事と小説
 4 戦争報道と実録
 5 市井の実録
第七章 懲戒する新聞
 1 鏡としての新聞
 2 規範を内面化する
 3 理想の人物像
 4 監視の網目
 5 露出する家庭内秘事
第八章 スキャンダラスな眼差し
 1 スキャンダルの快感
 2 スキャンダルの書き方
 3 スキャンダルの効用
 4 スキャンダルと物語への欲望
 5 悪用されるスキャンダル
 5 スキャンダルとしての女性
 7 理想の結婚
終章 表象のなかの近代社会
 1 メディア人間の誕生
 2 国民を主体化する
 3 帝国の子供
 4 表象が流通する世界
参考文献
あとがき