渡部昇一『日本語のこころ』講談社現代新書


日本語のこころ (講談社現代新書 372)

日本語のこころ (講談社現代新書 372)

第一章 大和言葉と外来語
 大和言葉とは何か
 大和言葉の少ない歌
 大和言葉の多い歌
 異物としての外来語
 魂のふるさととしての大和言葉
 大和言葉のみからなる俳句
 大和言葉と漢語の対比
 漢語の効用
 片かな外来語
 蕪村・芭蕉円朝大和言葉
 茂吉のグレイトネス
 戦後の和歌と大和言葉
 百人一首と現代俳句
 大和言葉と現代の俳句
 国民詩人としての山頭火
第二章 和歌の前の平等
 日本人の平等原理
 和歌三神のこと
 和歌の起源・「日本」の起源
 皇子と老人の交歓
 神武天皇の歌と言霊
 大和魂の本源
 男女の愛で国がはじまる
 言霊とは何か
 ことあげせぬ国
 「伝達の手段」を超えるもの
 なぜ表現が短縮されるか
 舒明天皇シェイクスピア
第三章 大和言葉の継承
 万葉集古今集の連続性
 鴎外の歌
 茂吉の和歌
 大和言葉の伝統が意味するもの
 一つの経験から
 古代日本人のこころばえ
 優美な感情としての大和魂
 尚古にして発展的
 「歌の父」なる帰化
 「歌の母」と生きていた平等感覚
 名歌の条件
 「和歌の徳」という考え方
 昇進を助けた和歌の徳
 貫之を助けた言霊
 鬼神や天地を動かす
 頼朝と和歌の徳
 能因法師の雨乞い
 関ヶ原──もうひとつのドラマ
 壬生忠岑の逸話
 縁起かつぎの原型
 曾根好忠に見る「差別と平等」
 和歌における革新とは何か
第四章 外来語のはいり方──英・独・仏との比較において
 古典の難解さについて
 英語からのヒント
 ノーマン・コンクェストの甚大な影響
 ゲルマン語とラテン語の混合
 外国語流入のパタン
 『源氏物語』と『太平記』の相違
 難解さの主因としての語彙
 根の浅い外来語
 フィヒテによる「生ける言語」と「死せる言語」の区別
 国語における感性的部分と超感性的部分
 言語の前の不平等
 カントの哲学用語について
 知的な英文と情緒的な英文
 「海」とメイスフィールドの詩
 スチーブンソンと三島由紀夫の辞世
 余論──海の記憶・日本人とゲルマン人
第五章 国語教育と外国語教育
 日本人と桜
 母国語の蓄積効果
 「精神的私有財産
 「精神的私有財産」としての近親関係語
 タテ糸としての和歌の伝統
 国語教育の問題点
 国語教育にタテ糸を
 「知的」外国語教育の意義
 和歌と外国語教育の重要性
あとがき