安田敏朗『国文学の時空 久松潜一と日本文化論』三元社
2002年4月20日初版第1刷発行
ISBN:4883030946*1
序章 本書のねらい
第一章 国文学はいかように敗戦をのりこえようとしたのか
1 のりこえ方
2 具体相としての久松潜一
1 国民精神文化研究所
2 日本諸学振興委員会
3 「今に徹する」ことと、時局のあいだ
4 日本文化論の構造
第二章 戦中期の言説
1 「今に徹する」国文学
2 「国学」の一貫性──日本文芸学論争と「日本学」の構造
1 日本文芸学論争と久松潜一
2 「国学」としての「日本諸学」
3 「国学」化する久松潜一
3 「普遍性」の問題
1 日本文学の「普遍性」──『万葉集』をめぐって
1 万葉精神と日本精神──特殊から時間軸の「普遍性」へ
2 空間軸の「普遍性」──万葉精神=日本精神の「世界性」「優秀性」
3 ヨーロッパ留学と「世界性」の問題
4 「東亜」での「普遍性」──「東亜文化」「東亜文学」の可能性
2 「普遍性」と「国語」論
3 敗戦と「普遍性」 「まこと」を軸にして
第三章 時間的整序
──日本文学史・日本文学評論史・日本精神
1 「あたらしい国文学」の誕生──芳賀矢一・立花銑三郎『国文学読本』の周囲
2 統一体としての日本文学──『国文学読本』から『日本文学概説』へ
3 統一される「精神」──「国文学を流れる三の精神」(一九二六年)をめぐって
4 「日本文学評論史」の構造
5 日本精神の構成 「まこと」の規範化
1 「まこと」の道徳性
2 日本精神
3 一九三二年という画期(1)──『古事記』論と「敬神・忠君・愛国」と「まこと」
4 一九三二年という画期(2)──『万葉集』論と「敬神・忠君・愛国」と「まこと」
5 文部省教化プロジェクトへの参与
6 「心と詞」の調和をめぐって
策四章 空間的整序
──風土と「国民性」
1 『風土』との出会い
2 「歴史・風土・文学」(一九三七年四月)──風土と文学
3 「日本の風土と文学」(一九三七年八月)──風土の時間的整序
4 「文学地理学の構想」(一九四四年三月)──時間軸の空間軸への投射
5 同時期の文学風土論──雑誌特集にみる
1 「海洋文学」──『国文学解釈と鑑賞』(一九四一年六月)
2 「日本文学と風土」──『国文学解釈と鑑賞』(一九四〇年一〇月)
第五章 文学と国民性
──時間的・空間的整序をへた議論のなかで
1 『国体の本義』
2 『我が風土・国民性と文学』の構成
1 「序説」に関して
2 「一、我が風土と文学」に関して
1 「イ、日本文学の風土的区画」
2 「口、季節感と日本文学」
3 「ニ、我が国民性と文学」に関して
1 「イ、日本文学の国民的性格」
2 「ロ、「まこと」と明浄直」
3 「八、国民性の美的特質」
4 「ニ、敬神の精神」
5 「ホ、忠君愛国」
6 「へ、家の尊重」
7 「ト、没我帰一と包容同化」
3「国民性」を論じること
1 芳賀矢一『国民性十論』との関連から
2 『国文学通論』(一九四四年)へ
第六章 継承関係
ふたたび、「のりこえ方」をめぐって
1 分割継承 『我が風土・国民性と文学』の場合
1 前半部「我が風土と文学」について──『日本文学風土と構成』ほかへ
2 後半部「我が国民性と文学」について──『新訂国文学通論』へ
2 削除・書きかえ・かわらぬもの一『改訂日本文学の思潮』ほかへ・および「文化の庇護者としての天皇」論
3 風土論の継承をめぐって
終章 日本文化論の語り方
注
あとがき
*1:刊記では「4883030717」となっているが、これは「近代日本言語史再考」のISBN。