檜谷昭彦『江戸時代の事件帳』二十一世紀図書館

1985年1月28日 第1版第1刷発行


目次
まえがき
第一章 十夜念仏殺人事件
 煙管屋が射られて死んだ
 蹴まり友達と恋がたき 
 容疑者のひとりはローン業者 
 板倉重宗の名推理 
 奉行と女房のはかりごと 
 キリシタン弾圧が下敷き
第二章 餌刺し殺しと武士気質 
 死体の発見はおそかった 
 浪人に嫌疑がかかる 
 武士の心情とは何か 
 昔気質が解決の糸口になる
第三章 女の仕事はいくらだったか 
 乳乳母《ちうば》奉公とは 
 乳母奉公の契約 
 女の立場は弱かったのか
 三貨と円の関係 
 銭貨が近世庶民の生活を支えた 
 女性の衣類などの値段
第四章 元禄時代の物価 
 食べ物の物価 
 外食の値段 
 近世後期の江戸の外食費 
 職人の手間賃、その他 
 ひと晩の遊興費 
 現代社会とかわらぬ近世社会 
 元禄期の長者の資格
第五章 江戸の非行グループ 
 大番頭殺人事件  
 〈かぶきもの〉の犯行 
 逸平逮捕は別件逮捕か? 
 旗本と禁裏の女房の密通事件 
 後陽成帝が怒る
 幕府権力が介入 
 多武峯に地震があった 
 帝は御果報うすかった 
 公卿・宮女への処罰 
 かぶきものの流行
第六章 悪女か、自立した女か
 夕暮れの山村に旅僧が入る 
 娘の名は小吟、九歳だった 
 十一月十八日夜の惨劇 
 小吟は都市にあこがれた 
 小吟、男の女房を殺す 
 親も娘も死罪になった
第七章 仇討ちの方法
 四条河原の争闘 
 仇討ちには願書が必要 
 外科医見山の証言
 所司代の訊問 
 琵琶法師から裏付けをとる 
 敵の居場所がわかる 
 所司代はなぜ北国武士に味方したか

第八章 天皇・将軍・京都所司代
 二代将軍秀忠はなぜ怒ったか 
 土御門泰重の日記 
 元和から寛永へ 
 紫衣事件 
 後水尾帝の退位 
 奇怪なうわさ 
 京都所司代板倉父子 
 板倉のサロンは町衆をあつめた 
 女院東福門院のサロン 
 寛永文化はかくて生まれた 
 もういちど京都所司代
あとがき
イラスト 村瀬泰央