岩井洋『記憶術のススメ 近代日本と立身出世』青弓社

一九九七年二月五日 第一版第一刷発行
ISBN:4787231324


はじめに−〈近代〉という歴史の「おもちゃ箱」のために
第一章 和田守記憶法とその反響
 和田守菊次郎の登場
 和田守菊次郎の記憶術
 和田守菊次郎と糸平事件
 〈ひったくり〉と「三百代言」
 田中平八と吹田勘十郎
 記憶術にかけた人生

第二章 記憶術の流行-明治二十年代を中心に
 暗誦できぬほど増えた記憶術
 「ハードな」記憶術
 「ソフトな」記憶術
 記憶術のなかの「故郷」 東の和田守、西の島田

第三章 「内面の発見」と記憶術西
 「ハードな」記憶術と脳の「発見」
 神は頭蓋骨に宿る−骨相学の誕生
 解剖する文学 内面への旅-心理学の導入
 殺されたもののゆくえ
 催眠術ブーム
 「動物磁気」から催眠術へ
 〈術〉のエコノミー
 千里眼ブーム

第四章 立身出世と記憶術
 螺旋状の誘惑
 競争社会へのプレリュード
 『西国立志編』と『学問のススメ』の反響
 「受験生」の誕生
 「アメとムチ」のシステム
 加熱化する試験 一斉授業と教室空間の変容
 「問答法」という名の記憶術
 オブジェクト・レッスンの受容と変貌
 教員養成という課題
 マニュアル化された教育実践

おわりに-記憶術のなかの〈近代〉

あとがき