『三省堂百年』

昭和五十七年四月八日 初版発行



序に代えて
第一章 創業のころ
 四谷大火で神保町へ 
 編修所の濫觴
 斎藤精輔とウヱブスター和訳字彙 
 印刷所と編修所 
 神田大火 叙
 同盟出版から単独出版へ 
 忠一と万喜子 
 出版契約と明治二十年代の出版界 
 辞書と教科書出版 

第二章 百科辞典への挑戦
 翻刻から自主企画へ 
 火災後最初の辞書に新工夫
 独自の工夫をこらした地図出版 
 芦の湖で講習会 
 和英辞書と訳語の選定 
 印刷所 
 中等教科書出版へ 
 毛筆画帳、全国で採用 
 地理教科書
 樺正董の数学教科書
 国語辞書にも進出
 神田リーダー 
 訳語の苦労から百科辞典の企画 
 大隈邸で刊行祝賀会 
 教科書疑獄 
 百科の経費増で倒産 
 膨らんでいく百科の計画 
 東亜公司と器械標本部 
 明治時代の売上げ 

第三章 再出発――出版と書店を分離
 倒産の苦境の中で教科書供給を開始 
 株式会社三省堂設立 
 日本百科大辞典完成会へ 
 寅雄と豊治 
 インディア紙の開発
 関東大震災の打撃
 三協組合結成までの経緯
 日本百科大辞典中止を惜しむ声 
 甦つた三省堂 
 寅雄欧米視察 
 コンサイスの誕生

第四章 組織化の時代
 関東大震災 永井茂弥の日記より
 本社の再建と当時の出版状況
 本社創業地に戻る
 災害復旧と本社の再建
 永井茂弥の入社と組織改革
 増えつづける出版点数

第五章 不況の時代を越えて躍進へ
 経済不況の中で
 昭和初期の辞書
 書店の盛況
 昭和十一年以降の出版物と出版状況 
 出版方針の確立へ
 売上げ回復へ
 申等教科書へ
 忠一と精輔の長逝
 創業六〇年
 昭和十五年当時の現勢

第六章 出版統制の時代
 出版統制はじまる
 日配設立による販売方針の転換
 出版業所感―亀井寅雄社長
 用紙配給の仕組み
 大日本出版報国団
 錬成会合宿
 健康保険組合と福利厚生
 男子の就業禁止令で
 未完の三大企画
 戦災で活動停止状態に
 日配の創設
 用紙の規格と割当制度
 日本出版文化協会
 日本出版会への改組
 三省堂産業報国会
 職制の変更
 中教出版の創設
 出版物は買切り制へ
 出版社の統廃合はじまる

第七章 廃墟からの再建
 早く工場再開
 敗戦後に再申請して設立
 敗戦前後の出版物
 五役員に公職追放
 労働組合の結成
 創業七〇年記念祝賀会
 昭和二十年代の出版物
 出版・印刷両社を合併
 三省堂出版株式会社の設立
 海外機関の引き揚げ状況
 戦時補償打ち切り
 出版界に粛清の旋風
 三鷹工場の建設と資産再評価
 寅雄社長逝く
 昭和二十年代の教科書出版

第八章 混乱の時代
 労働組合の経営批判の視点
 辞書 
 参考書・単行本
 ユニオン条項廃棄問題
 亀井社長から小倉体制へ
 当時の出版界
 新工夫の初級英コン
 教科書
 八○周年における概況

第九章 新体制成立から更生法申請まで
 増資問題
 不安定だった新体制
 裁判所による和解
 再び裁判事件に
 昭和四十五年以降再び混乱
 教科書検定の歩みと三省堂
 出版方針の確立を求めて
 亀井社長復帰後の方針
 社屋(第一ビル)建設まで
 工場の問題点
 中国訪日代表団三鷹工場を見学
 経営危機顕在化の中での新年会
 倒産までの一〇か月
 業界の伸長率を下回った成長
 新株発行でもめる
 部課長懇話会の誕生
 「コンサイス英和」タイムカプセルExpo'70に収納
 教科書裁判と三省堂
 昭和三十六年以降の出版物
 新書の刊行をめぐって
 三販問題
 三鷹工場
 金田一賞設定される
 電算機の導入
 定価シール貼り、社会問題化
 懇話会の解散

第十章 更生手続を開始、創業一〇〇周年へ
 再度の倒産から
 更生開始後の概況
 更生計画への道
 思いがけぬ受賞つづく
 更生開始後の期別概況
 長澤規矩也博士逝く
 三省堂印刷株式会社の誕生
 一〇一年目へ
 株式会社三省堂企画の設立
 「三省堂英語教育賞」の論文募集
 書店表彰式と全国書店三省会の発足

    三省堂の活字(今井直一)
    製本工場の歴史と設備(勝畑四郎)
    三省堂編修所沿革略年表
    三省堂印刷所沿革略年表
    株式会社三省堂売上高・利益推移
    役員異動一覧
    職制表
    組織図

三省堂百年史 略年表

執筆を終わって(小林一博)

あとがき(三省堂百年記念事業委員会)

【参照】
『三省堂書店百年史』(小売書店の三省堂書店が中心だが、古いところは出版についても)