児玉隆也『君は天皇を見たか──「テンノウヘイカバンザイ」の現場検証』講談社文庫

昭和60年6月15日第1刷発行
ISBN:4061835270


    まえがき
1章 君は天皇を見たか
 象徴とあいまいさについて
 〈証言1〉君は天皇を見たか
 "見る"ではありません"拝む"です
 "生身の人間"との出合い
 とはいえ「天皇」がいる
2章 テンノウヘイカバンザイ
 砂糖とご真影
 〈証言2〉極限の中で、兵は天皇を想ったか
 "竹ヤリ軍隊"の精神注入棒
 削り落とした菊の紋章
 崩れ去った内なる皇軍
 〈証言3〉赤子は、天皇陛下万歳を唱えたか
 強いられた集団自決
 大量自決の島|渡嘉敷《とかしき》からの証言
3章 君はHIROHITOを見たか
 一九七一年秋・天皇のヨーロッパ
 "ヒロヒトラー"という造語  ヨーロッパ各紙の報道
 MEMO:HIROHITO GO HOME《メモ ヒロヒト ゴー ホーム》 十月九日・オランダ
4章 聞き書き・戦後と私と陛下さま
 自己規制せぬことからの出発
 聞き書き・ある庶民兵士の戦後
 聞き書き・陛下さま この金いりませぬ
 聞き書き・故郷喪失
5章 思召の構図
 象徴とマイホームの振幅
 共通の"知人"天皇
解説  三木卓

「君は天皇を見たか」という問いかけには、じつはタネ本がある。W・ケンポウスキー編、『君はヒトラーを見たか』(Haben Sie Hitler gesehen? 到津十三男訳 サイマル出版会*)に拠っていることをお断わりしておく。
(p9)*1